岡山プライマリ・ケア学会「地域連携シート作業部会」
(日本プライマリ・ケア学会岡山支部会を改称)
この連携シート『むすびの和』を作成する目的は、利用者のQOL(生活の質・生命の質)の向上にあります。それゆえ疾患別の連携シートではなく、すべての疾患や状態に対応します。病院間や医師同士の医療連携シートではなく、利用者や家族の「思いや願い」を明らかにして、医療と福祉を結ぶための連携シートです。
ICF(国際生活機能分類)の理念を意識して作成してください。今までのように、機能障害があるからリハビリテーションで能力を回復して、さらに、社会的不利を軽減するといった一方向的な流れではなく、社会参加をすることが、家やその周辺での活動を活発にする。さらに、機能を回復することもあるという双方向的な流れを取り入れることです。
また、利用者や家族の「ほんね」をつかむことが大事です。そのためには、「ほんね」をつかむために利用者や家族との信頼関係を築くことが大切です。
連携シート『むすびの和』を作成することによって、医療(病院)関係者、主治医、ケアマネジャー、福祉関係者(ホームヘルパーや通所サービス関係者)との連携がスムーズになり、利用者のQOL向上に役立ちます。
(1) 利用者(患者)のQOLの向上をはかることを目的とする。
(2) 利用者(患者)を主体として、医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護婦、理学療法士などの医療関係者、ケアマネジャ、介護関係者、福祉関係者が支える心を1つにて連携を図ることができる連携シートとする。
(3) 退院時のカンファレンス、介護保険のカンファレンス、入院時の情報提供として使用可能なものにする。
(4) 必要な情報を整理し、出来るだけ簡素なものとして、日常的に気軽に使用できる(本人、家族も記入可能)なものとする。
(5) 菅理は原則、ケアマネジャがする。介護保険外は状況に応じて訪問看護師などがする。
(1) ICF(国際生活機能分類)の理念を基本として、下図の心身機能・構造、活動、参加を包括用語としてとらえ、連携シート『むすびの和』を作成する。
つまり、利用者の「思い」「願い」を参加としてとらえ、その実現のために活動レベルを維持、向上するために何が必要か(環境因子や個人因子含む)、どんな支援をすれば心身機能・構造の水準を上げることができるかというように流れも配慮する。さらに現象学などを理解する。
本事業は独立行政法人 福祉医療機構から助成金を受けている